透析センター

動脈硬化を早期発見・早期治療するために

末梢動脈疾患(PAD)とは動脈硬化に起因する動脈の狭窄・閉塞によって末梢の循環障害となる病気です。
現在では増加の一途をたどっている病気で、重症下肢虚血では5年生存率が50%以下と言われ、死亡に至らなくても切断となればQOLは極めて悪くなります。
また、重症下肢虚血の患者さまでは、脳や心臓の動脈硬化症も併発している事が多いのも特徴です。

PAD を合併している透析患者さまの予後

ある研究において、PAD 合併透析患者は非合併の透析患者さまに比べて心血管死亡率が高く、QOL も低いことが明らかとなっています。
PAD 合併の透析患者さまでは非合併の透析患者さまに比べ予後が不良であり、透析患者さまにおいてPAD の合併は重大な危険因子であると考えられます。

透析患者さまにおける下肢切断の予後

「わが国の慢性透析療法の現況」*日本透析医学会調べ
によると透析患者さまの四肢切断の既往がある患者さまは年々増えており、7年間で1.7倍に増加しています。

海外の報告では、透析患者さまの下肢大切断の予後は悪く、非透析患者さまの1年生存率は75.4%、5年生存率42.2%であるのに対し、透析患者さまではそれぞれ51.9%、14.4%でした。
このことから、増加傾向にある透析患者さまの下肢切断は、患者さま自身のQOL を大きく損なうだけでなく、生命予後をも大きく左右すると考えられます

動脈硬化、下肢切断とならないために

早期に発見するためには、定期的なフットチェックとABI(足関節血圧と上腕血圧の比)を測定する事が重要です!
当院では定期的なフットチェック、ABI測定によるPAD評価や炭酸浴によるケアを実施しております。

1. 定期的なフットチェックの実施
2. 定期的なABI 測定によるPAD の早期発見
足関節血圧と上腕血圧の比(ABI)による診断を行っています。
ABI≦0.9:下肢動脈の狭窄(閉塞)の可能性が高い
ABI>1.4:下肢動脈の石灰化の疑い(糖尿病や透析患者さまに多い)

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